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運気を磨く / 田坂 広志

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先月、深夜のテレビ討論会を見ていて、一人の討論者の話し方にとても興味をひかれた。理路整然とした話ぶり、明確な論点の提示、また現実的な発言内容。昨今の日本では、呆れ果てるばかりの言動にうんざりとしていただけに、この方のことを知りたいと思った。今回紹介する本の著者である田坂広志氏である。

 

専門は原子力工学。今までに90冊余りの書籍を書かれてきたとのこと。ご自身の人生を振り返りながら、本来ことばでは伝えづらい内容を分かりやすく書き綴っている。

「幸運は、『不運な出来事』の姿をして、やってくる」

その通りだと思う。私もそのように感じることが非常に多い。問題の渦中にいるときは、他のことに気を配れる状態ではないが、数ヶ月いや数日後には、もはや問題ではなく千載一遇の機会となっているのだ。中国の故事成語にある「塞翁失马」にも重なるところがあるだろう。

 

「逆境とは、『成長の最高の機会』であり『脱皮と飛躍の好機』でもある。」

田坂氏のこちらの意見も確かである。しあわせなことがずっと続き、自分にとって都合の良いことばかりでは全く刺激がなく、成長しない。今さらながら、現在の時勢においては再認識のために手に取っても良い本かもしれない。

 

ちなみに、昨日のワンコメント・シネマにて紹介した『サイゴン・クチュール』のコメント“Predicament helps us to take ourselves back.“とは、まさに「逆境とは好機である」という内容と一致する。このブログを書くにあたり、本を見直してふと気づいた。偶然ではあるが、偶然が続き重なればそれは必然となる。