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信頼

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日頃より海外の新聞や通信社の記事を目にするが、今ほど自分の人生や世界情勢を危惧しながら読んでいることはない。いち早く正確な情報を得ることこそが、極めて重要だと思う。冷静に正しく理解し、指図を受けてからではなく、自分で考えて行動する。そしてコロナウイルスが収束した世界で私たちはどのように生きていくのか。混乱前とはまったく異なる未来。「いまを伝えることば」を一つひとつ見つめることで、二歩三歩先を見据えて進めていければ。そう願い、始めます。

 

5月12日付  FOREIGN AFFAIRSサイトより。

新型コロナウイルスへの対策方針は各国によって異なる。特にスウェーデンの動きは注目を集めている。ヨーロッパの他の国々が首都封鎖という選択肢を選ぶなか「集団免疫」を主軸に進めているのだ。高齢者や移民については対策が十分でなかったとする一方で、一定のウイルスの押さえ込みに成功しているとも考えられている。日本では、スウェーデンの方針は今後批判を受ける可能性があると否定的な報道も見られるが、本当にそうなのだろうか。この記事から新しい見方が拾えると思う。

 

 

www.foreignaffairs.com

 

 

本日のことば

herd immunity 

今回のテーマである「集団免疫」という意味。記事によると、専門家の意見として、集団免疫に達しているというのは国民の60%以上がウイルスに感染している状態を指すとのこと。はっきりとした定義はないようだ。

 

今回の記事は、アメリカ人の友人がFacebookのタイムラインに載せていた。そのコメントが興味深い。

スウェーデンの対策は日本に非常に似ている」

確かに、日本も緊急事態宣言を発したことで外出自粛、休業の「お願い」をしただけ。つまり強制命令ではない。しかも十分なPCR検査もいまだ十分になされていない。つまり、実際にどれくらいの人が感染しているのかはっきり分からない。この点は政府の専門家チームの方々も認めている。冷静に比較すると、まったく同じとは言えないが酷似しているように感じる。

ただ日本とスウェーデンとでは大きく異なることがある。記事のなかでは、スウェーデンならではの特徴に触れながら、次のように述べている。

"Sweden is a special country characterized by high levels of trust—not just between people but between people and government institutions. Swedes were primed to take voluntary recommendations seriously in a way that citizens of other nations may not be."

信頼である。人と人との間の信頼、そして国民と政府との間の信頼。僭越ながら、いまの日本政府と国民の間には「信頼」ということばが存在しているとは到底思えない。social distancingが要請される前から、既に日本には"political distancing"が根付いてしまっていた。まさしく"New Abnormal"である。このような状況に陥ってしまったことは国民一人ひとりの政治に対する「甘え」が招いてしまったことと、深く後悔している。明白な虚偽の発言や国民の意見を傾聴しない姿勢を看過してはいけない。「何が問題なの?」という方もいるかもしれない。しかしながら、国民が問題意識を持つ持たないという段階ではない。すべての根底に、根幹にあるべき「信頼」が今まさに揺らぎ瓦解しかけている。

まず一人ひとりが情報を収集し、考え、自分の意見を持つこと。私たちは必ずできることだと思う。なぜなら、この1ヶ月以上の間それぞれが要請の「お願い」だけでここまで頑張って歩を進めることが出来たのだから。

 

ちなみに 記事のなかにある〜be ahead ofとは「〜より進んでいる」という意味。

少しずつでも、すべてがよい方向に前進することを懇願する。