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暮しの手帖 4

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暮しの手帖との出会いは、2014年の秋頃。松浦弥太郎氏がブームで、ていねいに物事に取り組む姿勢に憧れて読み始めた。生活にまつわる様々こと、社会のこと、政治、経済のこと、美味しいカフェのことなど。

ヤマザキマリさん曰く「雑誌のようで雑誌ではなく、一冊の本」と参加したイベントで話していた。ヤマザキさんのご実家では70年以上前の創刊号から読み続けている、まさに筋金入りのファンとのこと。

そんな方がいるのに、たかだか数年読んでいる程度の私が紹介することでもないと思ったが、今号に寄稿されていた一つの文章が気になった。

 

母を送る 高山なおみ

 

長きにわたり料理家としてご活躍されてきた方で、料理にまつわる書籍も多数出版されている。暮しの手帖の中でも連載中。昨年の夏にお母様を亡くされたとのこと。お母様とのやり取りや最期の見送りについて、冷静に自分自身と向き合いながら、正直な言葉で気持ちが伝えられている。

 

「地上から離れていこうとしている人と、長い時間一緒にいると、ふと、そこにいる自分の存在が薄れ、甘やかな感覚に包まれることがありました。私は怖かった。」(P160より引用)

 

私の父親は22年前に他界。当時は大学生だったので、いろいろなことが一度に押し押せるばかりで、気持ちの整理がつかなかったことを今もよく覚えている。その時の父親のことや自分の内面の変化など、とても言葉で言い表すことができる状況ではなかった。高山さんの客観的に見つめた自身の内面を表現しているこの文章に、ただただ圧倒される。そもそも自分自身と比べること自体失礼というものか。

素直に正直にことばにすることは、やはり難しい。