いまここから始めよう / 伊藤守
6年ぐらい前から読み始めた「暮しの手帖」がきっかけで、伊藤守氏のことを知った。日本のコーチング界の草分け的な存在。
暮しの手帖にて紹介される人との関わり方についての文章は、読む度にその時々の自分自身を見つめ直すきっかけを与えてくれた。しかし、伊藤氏の連載が昨年突如終了。そこでAmazonにて作品を検索し二冊を購入。今回紹介する書籍はそのうちの一冊である。
フォントのイメージもあるとは思うが、とても優しい印象が伝わってくる。文章の書き口も安定していてブレがない。読み手はすぐにでも変化を起こさなくてはいけないと自ずと感じてしまうだろう。書いている内容もさることながら、その伝え方には感銘を受ける。
今般の新型コロナウイルスの報道や社会の情勢不安で、気持ちが塞ぎがちになっている方々も多いと思う。そんな時にこそおすすめしたい一冊である。
ここでは、お気に入りの部分をいくつか紹介する。
「気分は、行動の結果生じるものであって、
気分が行動を引き起こすのではない。
だいじょうぶ。
いいことは長く続く。
よくないことは
すぐ終わるから。」 (P152-153より)
「いまが最悪の時だとしても、
いま、ここから始められる。」 (P156より)
本来は心が浮き浮きするような春が訪れる季節だが、今年はまったくそうはならないであろう。しかしながら、気持ちを無理やり強く持つ必要はないが、勝手に自ら落ち込む必要もない。出来ることを一つひとつていねいに実践をし、積み重ねることが大切だと思う。