完璧な人たち
日頃より海外の新聞や通信社の記事を目にするが、今ほど自分の人生や世界情勢を危惧しながら読んでいることはない。いち早く正確な情報を得ることこそが、極めて重要だと思う。冷静に正しく理解し、指図を受けてからではなく、自分で考えて行動する。そしてコロナウイルスが収束した世界で私たちはどのように生きていくのか。混乱前とはまったく異なる未来。「いまを伝えることば」を一つひとつ見つめることで、二歩三歩先を見据えて進めていければ。そう願い、始めます。
5月3日付 The New York Timesサイト内Opinionより。
救命救急の現場で勤務していた友人の医師が自ら命を絶ったことをきっかけに、医療従事者の過酷な現状を見つめ直す。
Physicians are perfectionists who suffer in silence.
副題には上記のようなひと言が書かれているが、確かに医療に関わる方々がテキトーに患者と接している訳がなく、それが故に目に見えないところで心が蝕まれていく。
本日のことば
burnout
「やけど、オーバーヒート、燃え尽き」という意味。burnout syndromeとは「燃え尽き症候群」のこと。
医師の方々についてこの記事のなかでこのように述べられている。
"We tend to be perfectionists", he said." And disease processes aren't always straightforward. When you're a high achiever and you're very driven and you can't do what you want to do, it can be very disheartening."
完全主義者になろうとするあまり上手くいかず、思いつめてしまう。これは現在困難に直面している我々一人ひとりにも起こりうることだと思う。
コロナ禍の中、日本でも自ら命を絶つ事件が発生しつつある。「私は大丈夫」ではなく、いつでも助けを求めることができるように自分の弱さと向き合って整理しておくこと。誰も完璧な人間はいないし、また自分にしかできない仕事はない。心持ちを常に自由にしておくことは、多少勇気がいるがきっと楽になる。
最前線で働く医療従事者の方々に対する差別や偏見は日本だけでなく海外でも起きている。本来であれば感謝の気持ちをもって接するべきところに、さらに火に油を注ぐようなもの。記事ではこう訴える。
"In the months and years ahead, we're going to have to train ourselves to be especially attentive to the mental health needs of our first responders to this pandemic."
今更のように改めて自身を諫めるのも恥ずかしいことかも知れないが、もし気持ちのどこかに歪みがあるのならば是正していくべきであろう。
ちなみにbe attentive to〜とは「〜に十分注意を払う、〜に優しくする、思いやりをもつ」という意味。
心をま〜るく。
「新しい生活様式」の項目に加えなくとも、本来それぞれの中に備わっている。