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映画秘宝 2020年3月号 休刊号

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映画評論家の町山智浩さんに一度だけお会いしたことがある。佐賀市にあるシエマという映画館で催された映画講座に参加した時のこと。

1979年製作の『シャンス』を鑑賞後に、映画の解説をしてくださった。映画を観ただけでは全く気付けなかったことをたくさん伺えた。映画が本当に大好きだからこそ、一つひとつの映画について広く深く語ることができるのだろうなと感じた。

実は、このイベントに参加した時には町山さんのことを全く知らず、その後ネットで検索して驚く。映画界においてとても著名な方からお話しを伺うことができ、改めて緊張してしまうほどだった。また、町山さんは今回ご紹介する映画秘宝にも深く関わっておられるとのこと。映画好きの私も読んでみたいと思っていたところで、突然の休刊号。今回の購入が最初で最後となってしまったのだ。(もちろん、復刊の可能性もある)

表紙にもあるように、2019年のベスト映画とトホホ映画がランキング形式で紹介されている。映画界で活躍している方々がそれぞれランキングを載せているわけだが、読んでいるうちに自分もランキングを作りたくなってしまう。そこで突然ではあるが、ケンちゃんが選ぶ2019年の映画ベスト10を紹介する。(午前十時の映画祭10は除く)

 

第10位 主戦場 / 주전장

本作については賛否両論があるが、日本と韓国・釜山で鑑賞。韓国の方々の反応はとても興味深いものがあった。ちなみに韓国のチラシでは映画公開後の監督の今後が心配であると書かれてあり、印象的だった。

第9位 国家が破産する日

ワンコメント・シネマでも紹介した本作。他人事ではない、常に自分事として捉えていくべきであることを痛感。

第8位 i 新聞記者ドキュメント

上京した際に望月記者の講演会にてお話しを伺ったが、とても熱量あふれる人物。映画を観ていると、偽りのなさが伝わり感動する。

第7位 象は静かに座っている

通常映画の2倍の長さがある作品。語学に携わり感じることだが、人間が発することばの多くは淀んでいると思う。この映画を見て、改めて感じた。

第6位 新聞記者

迫真の演技に圧倒される。すべての映画がもつ力強さを確信した。

第5位 ともしび

悲しさやつらさが折り重なることを人生と呼ぶならば、まさにこの作品はそのことを余すことなく表現しているだろう。しかし同時にこのようにも思う。“Bright after dark" 厳しさの後にはきっと素晴らしいことがあることを。

第4位 荒野にて

「若い時には苦労は買ってでもしろ」という言葉は今では通用しないのかも。しかし、その先に待っている未来はきっと想像に及ばない。いまだに疑問なのが、馬がトレーラーに轢かれてしまうシーン。どうやって撮影したのだろうか。

第3位 ホワイト・クロウ

米原万里さんや佐藤優さんの書籍のおかげで、旧ソ連やロシアについて関心を持つようになった。ゆえに、最後の亡命をするシーンが私の心をぎゅっと掴んで離さない。

第2位 パリに見出されたピアニスト

映画冒頭2分ぐらいからずっとポロポロと涙が溢れて止まらない。流れてくる音楽とストーリーに押し流されていくかの如く鑑賞。ハッピーエンドな終わり方になるだろうという予測があろうとも、最後のコンテストのシーンではティッシュ100枚は使い切った。

第1位 永遠に僕のもの

映画と音楽とが融合し一つの芸術になっているように感じた。実話をもとに製作された本作。題材になった主人公本人の画像をネットで確認すると、主演のロレンソ・フェロにそっくり。ロレンソがいなければこの映画は存在しなかったのではないかと個人的には思う。サウンドトラックCDが発売されなかったことが、唯一の心残り。

 

このランキングを見ていると「やっぱり映画っていいな」と実感する。映画秘宝にもっと早く出会っていれば、私の映画人生はさらに充実したものになっていたことであろう。最後の最後に滑り込めたことに感謝をしつつ、ぜひ復刊を願うばかりである。

 

「25年間お疲れ様でした。まだ一冊しか読んでいないので、また読みたいです。」